ドローンの利用が急速に広まる中、正しい始め方を知ることはとても重要です。
映像制作や農業、点検作業など、活用シーンによって必要な機種や準備手続きは大きく異なります。
本記事では、目的に応じた機種の選び方から、機体登録や飛行許可の申請方法、安全運用に欠かせないルールまで、初心者でも迷わずステップを踏めるよう丁寧に解説します。
これからドローンを始めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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始め方①目的に合わせたドローン選び
ドローンを飛ばすには、まず自分専用の機体を用意する必要があります。
購入の際は、使用目的に合った機種を選ぶことが成功のカギです。
各モデルには異なる機能や性能が備わっており、「買ってみたけれど別のモデルにすればよかった」という失敗を避けるためにも、目的を整理して選びましょう。
【ドローンの主な利用目的】
・操作練習
・空撮による映像制作
・建物や設備の点検
・農薬散布
ドローンはどれも同じではなく、目的に合わない機種を選ぶと高額な出費や性能不足に直面する可能性があります。
以下では、目的別のおすすめモデルをご紹介します。
操作練習に適した機種
初心者が練習用に選ぶなら「マイクロドローン」がおすすめです。重量が100g未満で航空法の適用外となり、国土交通省への申請が不要。購入当日から屋内外で飛行可能です。
室内練習もできるため天候に左右されず、1万円以下で性能の良いモデルも入手できます。軽量ゆえ風やブレの影響を受けやすいですが、これを安定して操作できるようになれば、本格的な空撮機も扱いやすくなるでしょう。
空撮向けドローン
美しい景色や迫力ある映像を撮影したい場合は、カメラとジンバルを備えたモデルが必須です。中でも世界シェアの高い「DJI」は、価格と品質のバランスが良く、安定性にも優れています。
障害物検知や自動帰還など、初心者が安心して使える機能も充実。折りたたみ式のモデルなら持ち運びも便利です。
点検作業用ドローン
点検内容によって最適なモデルは異なります。屋根や壁面の確認なら「障害物検知」や「望遠カメラ」を搭載した比較的安価なモデルで十分です。
一方、鉄塔や送電線など電磁波の影響を受けやすい環境では、電波干渉に強く、通信が安定する特殊機能付きモデルが必要になる場合があります。用途に合わせた慎重な選定が重要です。
農薬散布用ドローン
農薬散布の分野ではドローンの活用が急速に広がっています。従来の方法に比べて大幅なコスト削減が可能で、1haあたり約5万円の節約になる計算です。40haなら約200万円の削減効果が見込めます。
選定時のポイントは以下の通りです。
【選定時のポイント】
・飛行時間の長さ
・積載可能な農薬量
・対象農地の広さ
・夜間監視の有無
要以上に大型・高額な機種を導入すると費用回収に時間がかかるため、規模に合ったモデルを選びましょう。多くの機種は別途講習で農薬に関する知識を学べるため、初めての方でも安心して導入できます。
始め方②ドローン購入後の国土交通省（DIPS2.0）での機体登録方法
出典：国土交通省
ドローンを購入したら、国土交通省が提供する「DIPS2.0」システムで機体登録を行う必要があります。これは、車でいうナンバープレートのようなもので、所有機体ごとに固有の番号が付与されます。
登録には、1機あたり3年間でおよそ1,000円からの費用がかかります。手続きと支払いが完了すると、機体番号が発行されますので、テプラなどで印字し、ドローンの見やすい位置に貼り付けましょう。
40代男性の利用者からは「車のナンバープレートのような感覚ですね」との声もあります。
なお、DIPS2.0での登録作業はやや根気が必要ですが、詳しい手順を解説している記事もありますので、必要に応じて参考にしてみてください。
始め方③ドローンの飛行許可を国交省へ申請する
ドローンの機体登録が完了したら、次のステップとして国土交通省への飛行許可申請を行います。
重さ100g以上のドローンは、原則として航空法の規制対象となり、特別な条件を除き「国土交通省の飛行許可・承認」が必要です。
【申請の種類】
・個別申請：飛行するたびに申請を行う方法
・包括申請：一定期間（通常は1年間）国内の広範囲で飛行できる許可をまとめて取得する方法
包括申請を取得すれば、毎回の申請手続きが不要になり便利ですが、申請には10時間以上の飛行経験が条件となります。
ドローンスクールに通えば、10時間以上の飛行証明を発行してもらえるほか、操縦技術や安全知識も身につけられるため、初心者の方にもおすすめです。
包括申請の取得方法を詳しく解説した初心者向けの記事も用意しています。少し長めの内容ですが、最後まで読めば必要な手順がしっかり理解できます。
始め方④点検記録と飛行日誌の作成
2022年12月の航空法改正により、ドローンの点検記録と飛行日誌の作成が義務化されました。
特定飛行（目視外飛行、人や物件から30m未満での飛行、夜間飛行、DID地区での飛行など）を行う際に日誌を記録しない場合、10万円以下の罰金が科される可能性があります。
国土交通省ではエクセル形式の飛行日誌フォーマットを公開していますが、飛行中は日誌を必ず携行する必要があるため、常に持参しておくことが求められます。
始め方⑤ドローンスクールを受講する
ドローンを飛ばす際には、場所によっては国土交通省への飛行許可申請が必要になります。
また最近では、点検業務の一環としてドローンが使われていることもあり、多くの求人が出ています。
そこで、ドローン業務に携わりたい方やドローンを趣味以上で活用する方などはドローン国家資格の取得をおすすめします。
独学でも取得できる本資格ですが、ドローンスクールでプロのパイロットから直接指導を受けることを推奨しています。
ドローンスクールでは、ドローンに関連する知識や高い操縦技能を身につけられ、就職サポートなどを実施しているスクールも存在するため、就職先が見つかる可能性もあります。
ドローン国家資格は、国土交通省「登録講習機関」に認定されたドローンスクールでのみ受講できるので、注意してください。
始め方⑥ドローンを飛ばす前に法規則を学習する
ドローン（正式には「無人航空機」）のうち、機体の重量が100g以上のものは「航空法」の適用対象となります。
この法律では、安全を確保するために飛行可能なエリアや高度、操作方法などに厳格なルールが定められています。
ドローンを飛ばす際は、法律に従い、安全な運用を心がけることが重要です。
特に以下のようなケースでは、国土交通省への申請が必要になります。
・空港周辺での飛行
・夜間飛行
・イベント上空での飛行（※詳細な条件は国交省の公式情報をご確認ください）
また、100g以上のドローンを使用する場合は、航空局への機体登録と機体番号の取得が義務付けられています。
これは購入時や使用前に必ず済ませておきましょう。
一方、100g未満の小型ドローンについては航空法の対象外ですが、どこでも自由に飛ばして良いわけではありません。
建物や人、車などが近くにいない、十分な安全が確保された場所での飛行が必要です。
たとえ法規制がない場合でも、周囲への配慮は忘れずに行いましょう。
まとめ
ドローンを安全かつ効果的に活用するには、「目的に合った機種選び」と「正しい手続き」が不可欠です。
操作練習向けのマイクロドローンから業務用の高性能モデルまで、用途ごとに最適な機体は異なります。
また、機体の登録や飛行許可の取得、点検記録の作成といった法的義務も忘れてはなりません。
さらに、操縦スキルや知識を深めたい方は、ドローンスクールの受講や国家資格の取得も視野に入れるとよいでしょう。
正しい知識と準備を整えることで、ドローンを安心して活用できる環境が整います。
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