ドローンは近い将来、様々な業界で活躍されることが推測されてますが、現在一部の業界ではドローンが人々の仕事をアシストしています。
その中でも農業は既にドローンによる品質管理や農薬散布、種まきなど農家の仕事をしており、ドローンの需要が年々増加しています。
日本では農家の人口が減り続けていますが、法人で参入している組織が増えており、農業ドローンを取り入れることで効率化を求めてます。
そこで本記事では、ドローンで農薬散布するメリットやおすすめの農薬散布ドローンを紹介します。
【本記事でわかること】
・ドローンで農薬散布するメリット
・おすすめの農薬散布ドローン
・ドローン農薬散布の代行会社について
▼ドローン農薬散布の仕事について詳しく▼
ドローン農薬散布が注目されるようになった背景
ここではまず、ドローンによる農薬散布が注目される理由について説明します。
日本の農業は、農家の高齢化や若者の都市部への流出により、深刻な労働力不足が課題となっています。
高齢の農業従事者にとって、広大な農地を管理・耕作することが難しくなりつつあり、若い世代も就農を敬遠しがちです。
その主な理由は、時間的拘束や労働の負担が大きいことにあります。
こうした状況の中、従来のように重労働を伴う農薬散布を効率化し、短時間で完了できるドローンを用いた農薬散布技術が注目を集めています。
さらに、農林水産省が主導する『農業用ドローン普及拡大に向けた官民協議会』の発足を通じて、国が積極的に農業分野におけるドローンの普及を推進していることが確認できます。
ドローンで農薬散布をするメリット
ドローンといえば空撮を思い浮かべる人が多いと思いますが、実際は「点検作業」や「農業」といった分野でドローンが使用されています。
日本では農家の人口は減少してますが、反対に法人として農業をビジネスにしている会社が増えています。
会社単位で農業をするにはできるだけ効率の良い管理が必要であるため、ドローンの導入は欠かせません。
そこでここからは、ドローンで農薬散布するメリットを紹介します。
個人で農業をやっている方でも効率が良くなればその分負担も軽くなるため、ドローンの導入をおすすめします。
時間の短縮
ドローンで農薬散布する一番のメリットは、時間の短縮ができることです。
【ドローンを使うことにより時短できる作業項目】
・農薬散布
・種まき
・品質管理
農業では様々な工程があり人が作業すると数時間~数日かかることがありますが、ドローンに作業を任せることで約数十分で完了します。
農薬散布する土地の中には広大な場所もあるため、一つの作業を人の手でやっていると一日で終わらないこともあります。
しかし、ドローンを使用すれば作業時間を大幅に短縮できるので、効率的な農薬散布が可能となります。
一人でも負担が少ない
ドローンは作業時間を大幅に短縮できるので、一人にかかる負担も大幅に減らせるメリットがあります。
農薬を散布する場合、人の手で作業するのであれば数キロの農薬を担ぎながら畑を回る必要がありますが、ドローンはコントローラーで操作するだけで農薬散布が可能です。
ドローンによってはあらかじめ順路を設定することで、農薬を自動散布してくれるので、コントローラーに触らなくてもプログラミングにより誰でも簡単に農薬を散布できます。
また、ヘリコプターとは違い家の電気でドローンを充電できるので、好きなタイミングで農薬散布が可能です。
農薬をできるだけ使わない散布ができる
農業用のドローンにもカメラやAIが搭載されているモデルもあり、カメラで映し出された農作物をAIが分析して、必要な場所にのみ農薬を撒けるというメリットがあります。
一昔前からオーガニック野菜が注目されるようになりましたが、人の手でオーガニック野菜を作る場合は農薬の量を調整しなければいけないため、更に大変です。
しかし、ドローンを活用することで多少の農薬が必要になりますが、農薬を大幅に減らせるので体に優しい野菜が作れます。
人手不足を解消できる
農業にドローンを取り入れることは、人手不足の解消にもつながります。
2022年現在、農家の人口は減少していますが、法人として農業を営む会社は増えており、雇用者数も増加しています。
ですが、日本は人口減少が加速しているので、ある年を境に再び農業に関わる人口が減少してしまいます。
そのため、限りある人材で農業を回すにはドローンの導入が必要不可欠で、人手不足を解決するのにとても重要な役割を担っています。
農作物の管理もできる
以前までは衛星から撮影したデータで畑の管理ができる技術が注目されましたが、個人の農家が気軽にアクセスできないというデメリットがありました。
しかし、ドローンを利用して上空から畑を撮影することで、個人・法人問わず誰でも簡単に畑の状態を管理できるメリットがあります。
このようにドローンは、人が手でやる作業を代行してくれるだけでなく、農作物の管理も可能です。
ドローンは一流企業の技術を搭載したカメラを利用しているため、カメラの精度が高く、ハッキリとした鮮明な映像で農作物を管理できます。
長期的に見るとコストを下げられる
農業用のドローンは費用が高く、導入するハードルが少し高く感じられますが、長期的にみるとドローンを農業に導入することでコストを下げられます。
体力的な限界で生産量を減らしてしまった場合でも、ドローンによって農作物が管理できるので、生産量を落とさずに維持できます。
また、ドローンで農薬を散布すると少ない量で均一に散布できるので、農薬費用の節約にも繋がります。
おすすめの農薬散布ドローンはこちら
農業用のドローンは日本製のものが多く存在しています。
日本製のドローンは日本の航空法に沿って作られているので、誰でも安心してドローンを飛ばせるメリットがあります。
そこでここからは、農薬散布ドローンを紹介します。
飛助DX(マゼックス)
出典:マゼックス
飛助DXは、株式会社マゼックスが作った日本の農業用農薬散布ドローンです。
値段 | 840,000円 |
農薬タンク容量 | 10L |
飛行時間 | 30分(ホバリング) |
機体重量 | 24.9kg |
その他機種 | ・飛助MG ・飛助mini |
飛助DXは、日本の農業用ドローンの中でも特に有名で、国内の農業に適した構造となってます。
1つのバッテリーで2ha分の農薬を散布できるので、使用した後に別の場所でも飛ばせるほどの高いバッテリー性能を持っています。
ちなみに1haは100m×100mの大きさで、テニスコート約38面がほぼ1haと同じ面積です。
農業用ドローンのプロペラは4個以上使用されてる製品が大半ですが、飛助DXではプロペラが4個搭載されているので、一つ当たりのモーターが大きいメリットがあります。
モーターが大きいと一つあたりのパワーが強くなり、地面近くまで風が行き渡るため、横風が強い時でも農薬を根本近くまで散布できるという特徴があります。
また、農薬の噴出口が複数あるため、ドローンの進行方向が変わっても噴出口が自動で切り替わることで一気に農薬を散布できます。
以前までのマゼックスの技術ではGPSを受信できる衛星の数は最大15個でしたが、現在は最大22個の衛星を受信できるまで増加し、よりGPSの精度が向上してます。
また農薬を均一に散布できるよう、自動飛行モードにも対応してます。
粒剤散布装置や肥料も散布できるので、育てるものによってはドローンで種まきもできます。
マゼックスからは飛助miniも販売されており、農薬の量は5Lと少なくなってしまいますが、その分料金も550,000円から購入できます。
飛助miniも飛助DX同様自動飛行機能があるので、初心者でも安心して農薬の散布ができます。
農業用ドローン あおぞら(岩木山ラジコン空港)
出典:ヤフーショッピング
農業用ドローンあおぞらも日本国内で製造されたドローンで、日本の地形に特化した仕組みになっています。
値段 | 532,000円 |
農薬タンク容量 | 5L |
飛行時間 | 7分 |
機体重量 | 17.7kg |
その他機種 | なし |
農業用ドローン あおぞらは、日本国内の農家さんの要望を取り入れ、故障した時もパーツ交換することで治る設計を採用しています。
さらに、日本国内でも簡単に調達できるようなパーツを利用しているので、修理に時間がかかりにくいというメリットがあります。
また、FPVカメラ&モニタ一から映像を閲覧でき、自動飛行にも対応しているため農薬の量を調整しながらプログラミングされた航路で農薬散布が可能です。
AGRAS T30(DJI)
出典:DJI
空撮ドローンで世界的にシェアがあるDJIですが、農業用ドローンも生産してます。
値段 | 1,700,000円 |
農薬タンク容量 | 30L |
飛行時間 | 10分(ホバリング) |
機体重量 | 66.5kg |
その他機種 | T20 |
日本の農業用ドローンは多くて10L程の農薬を積めますが、T30は約30Lの農薬を搭載できます。
DJI AGRAS T30は、16個の農薬の噴出口が搭載されているため、広範囲で散布できる特徴があります。
また、球形レーダーシステムを搭載しているため、様々な気象条件での飛行もできるよう設計されており、気候変動の激しい日本ではとても役に立つ機能が搭載されています。
さらに、正面と背面にカメラが搭載されているので、ドローンを回転させることなく周りの状況をモニターで閲覧できます。
DJI AGRAS T30は自動飛行にも対応しており、モニターから農薬の残量なども確認できるため、農薬の量や散布場所などすべての情報を管理できます。
YMR-08(ヤマハ発動機)
出典:ヤマハ
YMR-08は、日本の楽器メーカーでも特に有名なヤマハが開発・製造・販売している農業用ドローンです。
値段 | 1,732,500円 |
農薬タンク容量 | 10L |
飛行時間 | 10分 |
機体重量 | 24.9kg |
その他機種 | なし |
YMR-08には、下記3つのフライトモードがあります。
・ノーマルモード
・自動クルーズコントロールモード
・自動ターンアシストモード
マニュアルモードは、GPSが弱い場所や変形地など、自動飛行が難しい場所でもスムーズな操作ができるモードです。
自動クルーズコントロールモードは、指定した速度を維持して飛行が可能で、均一な農薬の散布ができます。
自動ターンアシストモードは、ボタン1つで一定の間隔で往復を繰り返すモードで、スティック操作が不要なため、操縦者の負担を軽減できます。
周りの環境によってモードを変更できたり、自動で最適なモードを認識してくれる機能も搭載されているので、様々な地形に対応しています。
MMC940AC(丸山製作所)
出典:丸山製作所
MMC940ACは、農業用の機械や工業用ポンプなどを生産している丸山製作所が開発・製造する液体散布用マルチコプターです。
値段 | 220,000円 |
農薬タンク容量 | 5L |
飛行時間 | 10分 |
機体重量 | 18kg |
その他機種 | ・MMC1060 ・T30 ・T20 ・T10 ・MG-1P |
MMC940ACは、各種センサーを利用し、操縦者の負担を減らす農薬散布が可能となっています。
他にも今まで培ってきたポンプの技術をドローンにも活用し、耐久力やメンテナンスがしやすい仕様になってます。
また、GPSを搭載しているので、散布終了後に自動帰還モードを利用することで安全にドローンが帰還します。
MMC940ACは農薬を除いた重量は8kgと軽量であるため、一人でも持ち運びができ、乗用車で運び出せるという特徴があります。
ドローンの農薬散布を代行してくれる会社もある!
お年寄りや初めてドローンを触る方の中には、ドローンを利用した農薬散布に不安を感じると思います。
そこで、ドローンの農薬散布を代行してくれる会社に依頼することをおすすめします。
日本では農協か民間企業で農薬散布を代行できますが、農協は一部地域のみの対応となってます。
ドローンを使った農薬散布を代行することで、プロの操縦士が農薬を散布してくれるので、安心して農薬散布ができます。
個人でドローン農薬散布を依頼する際に準備するものは、申込用紙や散布する図面などで、その他の申請業務も全て代行してくれます。
ドローンには難しい法律がありますが、プロに代行してもらうことで全て任せられるので、農薬をドローンで散布してみたい方は代行してみるのもひとつの手です。